日本の伝統や文化から生まれた“藍染革”「スクモレザー」のこだわり。

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高級な革」「上質な革」と聞いて、どのような革を思い浮かべますか?

代表的なものでいえば、原皮であれば、牛のカーフレザーや馬のコードバン。製法としては、植物タンニンなめしや、天然オイルなめしなどが挙げられます。

その多くが、イタリアを始め海外の文化から生まれたもの。

じつは、日本独特の製法で仕上げられた唯一無二といっても過言ではない「革」が存在するのです。

それが、「スクモレザー」。

これは、日本で600年続く伝統的な製法から生み出された天然の染料である「蒅(すくも)」で染め上げた“藍染の革”です。

「ジャパン・ブルー」とも言われる藍色を革に施した、世界的にも注目を集めるレザー。

そんな「スクモレザー」の生みの親である、株式会社ホリイの2代目、堀井 誠氏に「スクモレザーに込めた想い」を語っていただきました。

スクモレザーが生まれたキッカケ

スクモレザー(sukumo leather)藍染の牛革・本革

—-スクモレザーは、どういったキッカケで誕生したのでしょうか?

堀井氏
まず、挙げられるのが革業界の疲弊です。

物が溢れる現代では、革製品を「いかに安く、大量に作るか」が重要視されています。

いくら革職人の技術力が高くとも、その価値は適正に評価されない。革業界として限界があったのです。

もともと私達はハンドバッグのメーカーとして始まり、「作れば売れる」時代は良かったものの、やはり現代で同じことをやっても厳しい。

誰でもできることをやっても、結局は価格競争になって埋もれてしまう。消費者は、同じような製品が並べば、その中でも安いものが欲しいですからね。

—-なるほど。業界の厳しさが根底にあったのですね。

堀井氏
はい。このままでは、現場の職人たちも食べていけない環境になってしまうと危機感がありました。

そんな中、13年前に藍染の職人と出会ったのです。京都で非常に優れた技術で藍染を行っている、浅井ローケツの2代目の浅井直幸さんという方です。

お互いに2代目ということや、「職人」という背景が共通していることから意気投合しました。浅井ローケツでは、着物などの藍染を行っているのですが、やはり着物も昔に比べて需要が低迷していました。

二人で「お互いの家業を未来ある形に残せないかな」と考え、お互いの武器である「」と「藍染」を組み合わせたらどうかというアイデアに至りました。

日本の職人が、日本を代表する色である「藍」で新しいものを作る。これは、非常に面白いのではないかと思ったのです。

当時調べてみたところ、“藍染の革”というのは市場には全く無く、あったとしてもアート作家さんによる作品が少しあるくらいでした。

牛革を「藍染」する難しさ

—-「革を藍染する」いままで無かったものを作り出すのは、そう簡単にはいかないですよね?

堀井氏
そうですね…。納得の行く仕上がりになるまで、8年かかりました。

というのも、藍染は植物性の染料。そして、牛革は動物性。互いにpH値が大きく異るのです。

藍はpH値でいうと12~13程度の強いアルカリ性でして、革にそのまま着けるとヤケド状態になってただれてしまうんですよね。

なので、仕上がった姿は革の質感とは思えないほど、カチカチに固くなってしまいました。

一度固まってしまった革に油を注入しても、革本来の柔らかな質感には戻りませんでした。非常に開発には苦労しましたね…。

藍染職人の浅井さんと研究を重ね、ようやく革の柔らかさと藍の美しさを兼ね備えたレザーが完成したのです。

こうして完成した「スクモレザー」は、その製法の難しさや、日本独自という存在から今では、漆を擦り込んだ「黒桟革(クロザンカク)」と並ぶ「最も高価な革」の部類に入るんです。

パリの展示会に出展したところ、現地のフランス人の方々の中で話題になり、非常に嬉しかったですね。

スクモレザー(sukumo leather)藍染の牛革・本革

パリの国際見本市への出展と堀井氏の想い

—-日本独自の革が海外で勝負する。すごいことですよね。

堀井氏
そうなんです。その後、プルミエール・ヴィジョンというフランスで開催される服飾の展示会の日本支社から連絡が来たんです。

パリで話題になっているから、出展しないかという連絡でした。これには、驚きましたね。ファブリックが並ぶ中に、「革」が注目を浴びる。

そして、プリミエールヴィジョンの「MAISON d’Exception(メゾン デクセプション)」という僅かな企業しか出展できないブースのコンペに参加しました。

既に空き枠が2社分しかなく、国内では14社がコンペに参加しており狭き門という状況の中で、なんと出展が決まったんです。

単にスクモレザーだけ並べるのは面白くないなということで、展示方法にも工夫して出展しました。

一般的に革の展示といえば、単純に吊るしただけのものが多いのですが、衣類用のハンガーを使って、まるでジャケットが掛けられているような見せ方をしたり。

そこに、スクモレザーで作ったシューズなど製品を並べています。また、日本の伝統や文化というストーリー性を演出するために、ライトアップは藍染の提灯をつかったりしました。

スクモレザーの技法の難しさといったスペック的な要素よりも、日本の歴史的な文化という空気感を世界に伝えたかった。

—-まさに、空間をプロデュースされていますね。

堀井氏
そう、空間の演出にはかなりこだわりました。

このように、「モノ」に宿る背景が垣間見えることで、新たな価値が生まれると考えています。

日本には、世界に誇れる文化って沢山ありますよね。

藍染もそうですし、工芸品などもそう。

でも、業界ごとに縦割りだったり閉鎖的だったりと、狭く受け継がれているという背景があり、ストーリーを知るキッカケが少ない。たとえば、地域の物産展に留まってしまうようなイメージです。

もちろん、行政的な課題もあると思うのですが…。そういった垣根を超えた仕事をしていきたいと思うようになりました。

スクモレザーが誕生したキッカケのように、日本にある伝統と伝統を組み合わせてみることってまだまだ出来ると思うんですよね。

そこで完成したものには、日本固有の文化が含まれている。新しいものなのに、深みのあるストーリーが生まれる。これって、素晴らしい価値になりますよね。

-—おっしゃる通り、背景が見えると「モノ」に対する価値も変化しますね。本日はありがとうございました。

株式会社ホリイ「スクモレザー」の詳細

SUKUMO Leather
株式会社ホリイ

編集後記

スクモレザーの生みの親。堀井氏の熱量は非常に高いものでした。

既存の業界をより良くするためのアクションが、世界と勝負するまでになる過程はまさにドラマのよう。

スクモレザーの新作のサンプルも見せていただきましたが、「藍染」で多彩なバリエーションを生み出せる技術力の高さにも驚かされます。

製品化されていない「革」なのに、まるで美術品のようにずっと眺めていたくなるその深み。日本を代表する革として誇れるものでしょう。

じつは、モーダマニアでもスクモレザーを全面に使用したiPhoneケースを販売しております。その質感や色合いの美しさを、iPhoneケースという身近なアクセサリで楽しんでみてはいかがでしょうか。

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